
利子がつく債権は購入のタイミングで、「応募者利回り」「最終利回り」「所有期間利回り」があります。
利回りは次のような時に変動します。
- 発行価格の上下
- 販売価格の上下
- 売却価格の上下
よく、最終的にもらえる金額は決まっているから安く買えれば利回りが上がる。と言われますが、いまいちピンとこない人も多いのではないでしょうか?

なのでなるべくわかりやすく説明しますね!
応募者利回り
新たに発行された債権を満期までずっと所持した場合の利回りです。
まず用語の説明をします。
- 償還期限・・・満期までの期間
- 額面・・・満期時に戻ってくる金額
- 表面利率・・・額面に対する利息
- 発行価格・・・額面が「定価」とすると、発行価格は実際の販売価格
例
- 償還期限・・・10年
- 額面(定価)・・・100円
- 表面利率・・・額面に対して4%(毎年受け取れる)
- 発行価格(実際の販売価格)・・・95円
応募者利回り(%)=4+{(100−95)÷10}÷95×100=4.736%
この場合、販売価格が定価よりやすいため利回りが上がっています。
どういうことかというと、この債権を定価(100円)で買った場合10年後に売ると、140円もらえる。それを販売価格(95円)で買えるとなると、額面(100円)に対して毎年4.736%つくので147円もらえる。
あえて「額面に対して」を強調しましたが、販売価格でなく額面に対してというところがミソですね。
もらえる額が増えている分利回りが上がっているのがわかると思います。
最終利回り
既発債。つまり一旦市場に出た債権を購入する場合、元々の販売価格より安くなったり高くなったりその時によって価格がかわります。
先ほどと同じ例で、今度は利回りが下がる場合を考えます。
- 償還期限・・・10年
- 額面(定価)・・・100円
- 表面利率・・・額面に対して4%(毎年受け取れる)
- 購入価格(実際の販売価格)・・・110円
最終利回り(%)=4+{(100−110)÷10}÷110×100=2.727%
4%→2.727%へ利回りが下がった!!
額面より高くなるということはそれだけこの債権を欲しいと思う人が増えたということですね。
所有期間利回り
既発債を満期前に売却するケースがこれに当たりますね。
- 保有期間・・・5年
- 購入価格・・・97円
- 売却価格・・・98円
- 表面利率・・・額面に対して4%(毎年受け取れる)
最終利回り(%)=4+{(98−97)÷5}÷97×100=4.329%
売却価格が購入価格より上がっているので利回りが上がっていますよね。
まとめ
いかがでしたか?

丁寧に見てみるとそんなに難しい計算でもないのがわかると思います。
実際にどういう時に値動きがあるのかというと、例えば景気が悪くなったので、リスクの低い国債などを購入するケースが考えられます。このような場合をリスクオフ。つまりリスクを回避することです。
逆に景気が良くなるとその国の会社も儲かるだろうという見込みで、それらの株を購入する事が増えるので債権価格は売られて下がる傾向がありますね。これをリスクオンといいますね。リスクをとって大きく儲けに行くのですね。